作品紹介

それでもいいと思ってた。幸せだったから。

離婚後、疎遠になってしまった息子に重なる路上シンガーの男・翔真(鈴木拡樹)。私・時子(高橋由美子)は、この男に多額のお金を貸している。これまで感じてきた心の隙間、寂しさを全部、翔真が埋めてくれている。
ある日、NPO団体を名乗る柏木(矢部太郎)という男が店へやってくると、翔真のことについて私にいくつか質問をしてきた。そして、
「翔真という男に騙されているんじゃありませんか?」
翔真に貸したお金は、1000万円を超えている。でも、あくまで“貸しているお金”だ。ばか。
この無礼極まりない柏木の登場で、私の人生は大きく狂っていった……。

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